25歳 看護師 日々、暮らし

せっかく生きているんだから。

鬱病な彼の話

彼の鬱は深刻だった。躁と鬱を繰り返す、人に会う時は躁であるため気付かれにくいのだ。鬱の時は一日中天井を見上げて過ごすのだそう。きっかけは、会社でのパワハラ。残業も月70時間を超していた。疲弊しながらもその時は、「大丈夫、期待してくれている」などと言いながら、会社と自宅を往復する日々であった。仕事の帰り道や休日に電話をかけるとそう答える彼。電話の時ばかりは、仕事のことを忘れたいと言い、たわいもない話をした。私は予兆に気づくことができなかった。

 

3ヶ月ぶりのデートは真夏の離島巡り。アート作品や島のグルメを堪能しながら、汗だくになりながら歩いた。翌日、昼食を摂っていると、「何だか動悸がする」と。熱中症じゃない?なんて甘くみていたが、違った。どうやら後日も続いた。きっかけなく動悸が起こりパニックになった。異変に気付きながらもそれが、精神的なことなんて思いもよらず、近所の内科医を転々としたそう。大きい病院に行ってCTを撮ってみたり。もちろん異常はない。1ヶ月経ち、やっと心療内科を受診する決意を持ち、診断名は適応障害、からの鬱病セロトニンを補う?的な薬を内服する日々となった。残業もなし。上司からは異動を勧められていた。内服により、気持ちは落ち着いたが、副作用が酷かった。口渇感による水分摂取過多、過剰な眠気による遅刻。もちろんエッチなんて半年近くなかった。躁状態時に散財しすぎて常に金欠状態。彼は、常に自分を責めていた。私は、ネットで探した言葉を取ってつけたように、伝えることしかできなかった。たまのデートも外に連れ出すが、パニックと金欠なことを考えると、お家が無難であり、ご飯を作ってみたり、映画を見たりできることをした。

 

彼の部署異動が決定した。新しい部署は比較的穏やかで残業も少ない。実家の近くであるため支援も得られやすい。内服の効果もあり少しずつ回復の兆しが見え始めた。「最近調子いいかも」と話す日も増えた。お金のかからない趣味も見つけ、適度に同僚と遊ぶ時間も確保できていた。その調子に乗りながら彼は心療内科に向かい、内服の減量の許可を得た。

しかし、、再発。先の見えない恐怖を抱えながら彼は今も向き合っている。少しずつできることを増やしながら、対処していっているのだろう。

私は支えなくてはと思い、のめり込み自分の身の危険を感じる時もあった。結果何も出来ずに過ぎる日々。私は、、その場を離れることを決意したのだった。

25歳を目前に結婚がちらつく中、苦渋の決断は決して簡単ではなかった。

 

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